マインドマップ使い方No52 記憶術に使う3 東京MindMap教室
マインドマップ使い方No52 記憶術に使う3 東京MindMap教室
記憶の宮殿
今回は記憶を貼り付けるためのベースを作る方法として鉄板中の鉄板、場所を使うやりかたについてご紹介します。前回、記憶術のステップをご紹介しました。
ステップ1、記憶を貼り付けるためのベースを準備する。
ステップ2、覚えるものをイメージ化する。
ステップ3、イメージ化したものを1で準備したベースに関連付けていく
そして前回は、この貼り付けるためのベースとして、数字を使う方法をご紹介しましたが今回はそのベースに場所を使う方法です。この場所を使う方法はとても強力で、多くの記憶術で使われている大変オーソドックスなやり方になります。
人間は何故か場所についての記憶は定着しやすくなっています。太古の昔、まだ狩猟を行っていたころから場所についての情報はとても大事だったでしょう。危険な動物がいる場所、水のある場所、果実の取れる場所、違う生物の縄張り、獣道・・・そういったことを記憶できなければ、たちまち死んでしまうことになります。そういったことが、場所についての記憶力が強い理由なのかも知れません。
例えば、旅行したことを思い出してみると、こんな駅で降りて、こんなホテルに泊まった。そこからこっちの方へ歩いて夜食事に出かけたなぁ、最上階には大浴場があったぁ・・・などと場所をたどるようにその風景やその時した行動を思い出すのではないでしょうか?
この場所についての記憶の強さを利用して、色々なことを記憶していくという方法は古くから使われており、「記憶の宮殿」としてトニーブザンの著書の中でも紹介されています。
記憶を貼り付けるためのベースとしての場所は、自分がよく知っている場所ならどこでもよいです。例をいくつかあげてみますと、
1、自宅
2、通勤路
3、オフィス
4、よく行く施設
5、電車の駅
などなど。そして必要であれば、どんどん増やしていくことが可能です。都心のお店に訪れたり、近所を散歩するなどして、ベースになる場所を探します。そしてよく観察したり写真をとるなどしてその場所とよく馴染むようにすると、記憶のベースとして利用することが出来る様になります。
自宅を記憶のベースにする
ひとつやってみましょう。
冒頭のマインドマップは自宅を記憶のベースにしたイメージを表したものです。数字をたどりながら、以下を読んでみてください。
記憶術として使うために、お部屋の場所を順番に歩くようにイメージしてそこにある家具や設備を、くっきりと頭の中で描くようにして貼り付けるポイントをつくっていきます。
右下の部屋から。ここは私の個室です。
1、窓のカーテン
2、パソコンのある机の上
3、本棚の本
4、押入れ
5、鏡台
の5つのポイントを選びました。これを順番に頭の中で場所を移動しながらイメージしていきます。
次は右上の部屋に進みます。こちらはリビングです。以下反時計回りにお部屋を書いていいってます。
6、アイボリー色のソファー
7、ベランダ
8、テレビ
9、ピアノ
10、ブルーのソファー
次は上に進んで台所
11、電子レンジ
12、食器棚
13、ガスコンロ
14、流し
15、冷蔵庫
次は左上の水回り
16、トイレの回りの廊下
17、トイレ
18、洗濯機
19、洗面台
20、お風呂
最後は左下で子供部屋
21、玄関
22、東の子供部屋の押入れ
23、東の子供部屋の窓
24、西の子供部屋のベランダ
25、西の子供部屋の子供机
このように頭の中で部屋毎の家具や設備をイメージしていくことで、自宅を利用して25個の貼り付けポイントが出来ました。このポイントを場所をたどりながら頭の中でパッ、パッとイメージ出来る様になるまで、1日数回頭の中での復習を繰り返します。大体一週間程度続けると鮮明にポイントのイメージがパッと出るようになります。
それが出来たら、記憶したいものをイメージにしてこのポイントに関連付けて貼り付けていくことで、多くのことを簡単に記憶することが出来ます。思い出すときはその場所を頭の中で移動しながら、見ていけば良いのです。そのポイントをみれば記憶したいものがそこに関連づいてあるという具合になりますので、簡単に思い出すことが出来ます。
このようにして作った記憶のための貼り付けポイントは、何回も使うことが出来ます。ただし、貼り付けたイメージはしばらく残りますので、同時に複数のことを貼り付けることは難しいです。沢山のことを一度に覚えたい場合はそれなりの数の記憶を貼り付けるためのポイントを準備する必要があります。世界記憶力選手権に出るような方は数千単位でこのポイントを持っているそうです。物凄いですね。
私達が日常に使う範囲であれば、まずは百程度準備するところから始めれば良いと思います。慣れないうちは少し大変ですが、慣れてくると1日に30くらいのポイントを覚えることは簡単に出来る様になります。まずは自分の部屋を利用して10コぐらいポイントを作ってみて下さい。次回以降にそのポイントを利用して数字を覚えていきたいと思います。
次回は数字をイメージに変えるということをお伝えします。