マインドマップ書き方No3 ホワイトボードで書く3 東京MindMap教室
マインドマップ書き方No3 ホワイトボードで書く3 東京MindMap教室
コーチングセッション
コーチングという言葉ががかなり浸透してきました。最近セミナーでお客様に「コーチングってご存知ですか?」とお尋ねすると、過半数以上の方が知っていますとお応えになるようになりました。企業の研修でもコーチングを取り入れる会社が増えてきているようです。
コーチングの定義は次のとおりです。
’パフォーマンス向上を行なう対話の技術で、対象者を勇気付け、”気づき”を引き出し自発的行動を促すこと。’
例えば、組織の中で上司が部下に仕事をさせるケースで考えますと、従来のように一方的に指示命令するのではなく、モチベーションを引き出し自発的に行動を行なうように会話により合意形成を図ることと言えるでしょう。
人は人に質問をされるとモーレツに頭を働かせて答えを考えようとします。もともと人類はお互いがコミュニケーションをとることで生き残ってきた種族、そのように本能的に頭が働くのも当然かもしれません。
上司が部下に「本当はどう思うか?」「本当にどう自分はどう考えるか?」を深く問いかけ、その結果お互いの意志疎通が行えたとき、そのチームは素晴らしいパフォーマンスを発揮するようになるでしょう。
このことは、親子の関係や同僚、友人でも同じですね。深く話を聴いてくれて、認め励ましてくれる人が身近にいれば、とても安心して力を発揮できるようになりますよね。
ただ、実際はそのような人が身近にいることは少ないかも知れません。みんな忙しいし、自分のことでいっぱいいっぱい。その本人が本当にやりたいと思うことを問いかけ応援してくれる人を得ることはなかなか難しい場合も多いでしょう。
そこで、近年ではプロとして「コーチング」を行なう人が増えてきました。目標達成のためにどのようにモチベーションを上げて、行動を起こしていけば良いかを研究し、心理的な側面から支援を行なうサービスを専門家として提供する人達です。
かく言う私も、コーチングを勉強しました。私の場合は、ある資格学校で講師をしていたときにいかに生徒さんのモチベーションを上げるかを知りたいと思ったのがきっかけでした。勉強してみるととても面白かったですね。それまでは、コミュニケーションってどうすれば良いのかあまり分かっておらず、どちらかというと人と会話をするのが億劫でしたが、コーチングを知ることで、自信をもって人と話をすることが出来る様になりました。
また、コーチングは目標達成のための頭の働かせ方を知ることでもありますので、自分自身の思考のフレームを深めることにもなりました。いわゆる「成功法則」の考え方が理解できるようになりましたね。
コーチングを勉強するなかで多くの人と実際にコーチングセッションを行います。コーチングセッションというのは、コーチがクライアントの目標達成に向けての支援を行なう会話のことです。
私もこのコーチングセッションを随分と練習したのですが、始めはなかなか上手くできませんでした。コーチが会話を上手く組み立てながら、ラポールを築き、傾聴・共感を行い、質問、承認、励ましを通して行動に結び付けていく、というのが一連のコーチングセッションになりますが、これがなかなか出来ない。
クライアントは何を希望しているのか、何を質問して何を話したのか、いまどういう流れになっているのか、これらをコーチングのなれた方はなめらかにこなしていくのですが、私はなかなか出来なかったですね。そもそもなにを話したのかいちいち覚えていられない。メモを取りながら進んでも、途中でどこになにが書いてあるのかわからなくなる。
あるとき、ふっとコーチングセッションをマインドマップを書きながらやってみようと思いつきました。「そうそう、マインドマップは見える化に役立つぞ、キーワードの関連で記録できるし、イラストを添えると臨場感もでる。」実際にやってみると想像以上に上手くいきました。
コーチングセッションにはある程度会話のストラクチャー「構造」があります。組立方や順序がある程度決まっているんですね。これをマインドマップのメインブランとして、順に書いていくことでもの凄くスムースにコーチングセッションを組み立てることが出来る様になったのです。
始めは纸に書きながらやっていました。セッションの記録としてコーチングが終わったあと差し上げていました。これはこれでとても喜ばれましたが、あるこき「ああっ、ホワイトボード!」と思いつきました。
コーチングセッションはコーチとクライアントが同じ風景を見ながら会話をすると良いと言われています。ならば、ホワイトボードに書き起こしながらコーチングセッションを行ってはどうだろう、と考えました。
これは、もの凄く効果的でした。クライアントも話の過程が目の前に見える化していくので、よりいっそう頭が整理されます。頭が整理されると、どうしたいか、どうすれば良いか といった発展的な発想が生まれます。より良い行動のためのアイデアが湧いて俄然やる気が湧いてくるようです。
ホワイトボードでコーチング
以下にホワイトボードを使ってコーチングセッションを行なう手順を書きます。(あくまでも参考の一例で、実際のコーチングセッションには沢山のバリエーションがあります。)
1、セントラルイメージとして、クライアントの似顔絵を書きます。似顔絵が苦手な方はお名前や象徴するようなイメージでもいいでしょう。
2、右上から時計回りに進めます。まず、ラポールを築くための会話を行います。最近あった嬉しかったことなどが良いでしょう。
3、緊張がほぐれてきたら、このセッションでの目標をたてます。コーチングはある目標達成に対して何度かをセットで行なうことが多いのですが、まず全体の目標を確認して、行動を少し細かく設定するために今日のセッションの目標、会話で得るための結論やゴールを定めます。このゴールを明確にするため左上のブランチに書くと良いでしょう。
4、右下に進んで、その目標をどうしたいか?を質問していきます。理想のありたい姿を明確にイメージ出来るようにしていきます。
5、左下に進んで、現状での足りない点を確認します。現状はその理想の姿に対して何パーセントぐらいなのでしょうか?
6、そしてそれを少し上昇させるためにどうすれば良いかを考えていきます。ここでは、発想を自由に広げてもらいます。何でも出来るとしたら、何をしますか?といった質問を重ねていきます。
7、クライアントの感情の動きをよくみて話を展開させていきます。これは、という感情の動きをホワイトボードの中で強調したり、キーとなりそうな言葉を探して、発展させたりしていきます。
8、行動したい内容が出てきたら、具体的な行動にブレークダウンします。まず行動することはなんでしょうか?今週一週間で行なう行動を決めていきましょう。
9、最後にクライアントからのフィードバックをもらって、コーチングセッションを振り返ります。
以上がおよその流れになります。
すでにコーチングを学ばれている方は是非挑戦してみて下さい。コーチングが見える化されるので、間違いなく質の良いコーチングセッションになると思います。
また、コーチング以外でも会話をホワイトボードに書いていくことはとても有効です。ミーティングの記録としても使えますし、会議でのファシリテーションでも役立ちます。コンサルティングやカウンセリングでも応用が効くかと思います。ぜひ、お試し下さい。
次回は会議に使うです。